平ヶ岳・回想のルート [記録]
秋雨前線が去ったと思ったら今度は台風、山に行けない状態が続いていますこの機会に私の山の原点と称している平ヶ岳について回想してみたいと思いました。今までの足跡を地図にも記しました。ご笑覧いただければうれしいです。
そもそもこの山を知ったのは西丸震哉氏の『山歩き山暮らし』を読んだことがきっかけでした。氏は無類の探検好きで、大部分が入山禁止になる前の尾瀬にも多くの足跡を残しています。この本の1節に『大草原のある山頂』があります。これが平ヶ岳で、読んだとたんにその魅力に憑りつかれました
'80年の8月、行く機会がやってきました。登路は氏の足跡を辿り、奥利根から水長沢を遡行して山頂を目指すことにしました。地図の①+②のルートです。
1日目は八木沢ダムから奥利根湖の湖岸道を延々と水長沢出会いまで歩きました。ただし氏の歩いたときから年月も経過して、ダムは湖岸道を飲み込んでしまっています。後半は廃道化して踏跡もなくなっており、だいぶ苦労しました
それでも焚き火を起こし、花火などをして楽しみました。
2日目はあいにくの雨でしたが、予定通り水長沢を遡行しました
この沢も思った以上に時間がかかり、夜になってやっと山頂にたどり着きました。でも翌日は晴れ、やっと大草原の山頂を目にすることができました写真がないのが残念です。
下山後は奥只見湖から遊覧船に乗ります。観光気分を味わえるいいところで、以後の奥只見通いの入口となりました。
2回目は'82年の7月、④+②で只見川から大白沢を遡行しました。最初から明るい沢で歩きながら笑みがこぼれてしまいした
沢での快適な一夜を過ごした後、さらに遡行していくとここで二岐になります。気持ちの良い滝ですがこの滝は登らず左のカワゴイ沢に入りました
しかしこの後は、延々と続くズタズタのスノーブリッジを見てドキドキしてしまいました
水が滴り落ちる中を潜ったり、上を冷や冷やしながら歩いたり、やっとの思いでここを突破すると雪田が広がっていました。そしてそこはすでに大草原の一角でした
翌朝の山頂ではワタスゲが名残を惜しむようにゆれていました。写真はあったのですが、公開できる状態ではありませんでした。
3回目は同年の10月、平ヶ岳ではありませんが⑤の大白沢支流の池の沢から幻の大池(白沢の池)を目指しました。大滝はありませんが、それなりに面白いところです。
しかし、沢が切れてからは猛烈なヤブコギで もう引き返そうか?と思った頃、やっと見つけることができました
小沢平からは道がありますので登られる方もいるでしょうが、おそらく一日いても誰にも会わないと思われる静寂さでした。
4回目は'83年のGW、山スキーを持って訪れました。③の鳩待峠から入り、越後駒に抜けるロングコースです。大白沢山を経てやっとたどり着いた平ヶ岳では吹雪かれてしまいました。しかし地図とコンパスを頼りに剣ヶ倉への縦走路を見つけて振り返った時に、平らな山頂が微笑んでくれました。『やった~!』と思った瞬間でした。
それ以後は天候に恵まれましたが兎岳~中ノ岳と続く稜線を歩いたり滑ったりと、かなりハードな山行でした。スキーを担いでの檜の廊下の通過は特に苦労しました。
駒ケ岳のカールを滑り、さらに下って駒の湯に着いたときは達成感でいっぱいでした
残念ながらこのときの写真は見つけられませんでした
5回目は同年の9月、⑥+②の只見川から恋の岐川を遡行しました。この沢は釣師も多く入るところで、歩きながら何回も岩魚の群れに出会いました。沢も小滝ばかりで、楽しみながら登れました
ガスに巻かれた幻想的な山頂です
翌朝はすばらしい草紅葉を見ることが出来ました。
6回目は宮さまルートとも言われる⑦の玉子石ルートです。'86年に開かれたと思います。こういうルートが出来たということを知り、訪れて見ました。しかしあまりにもあっけなく山頂に立てるため、興ざめの感がしました。あまりコメントはしたくないルートです。登った年も記憶にありません ^^;
今までの歩いたルートを色別しています。一般的な平ヶ岳の登路は②ですが、下りにしか使っていません。
西丸さんの自然と一体化した自由な山行に、今までの山に対する考え方が大きく変わりました。そして平ヶ岳に入っていきました。原点と言いたい想いもそこにあります。
多くの思い出の残るこの山域ですが、山頂の写真があまりにも少ないのが心残りです。目には焼きついているつもりなのですが、年とともに・・・。
最初に入ったときは木道もなかったように記憶していますが、2回目のときは既に設置してありました。今はさらに変わっているでしょう。そのうちじっくりと、この山の花や草紅葉を見に行きたいと思っているのですが・・・。もう少し時間が必要のようです。
そもそもこの山を知ったのは西丸震哉氏の『山歩き山暮らし』を読んだことがきっかけでした。氏は無類の探検好きで、大部分が入山禁止になる前の尾瀬にも多くの足跡を残しています。この本の1節に『大草原のある山頂』があります。これが平ヶ岳で、読んだとたんにその魅力に憑りつかれました
'80年の8月、行く機会がやってきました。登路は氏の足跡を辿り、奥利根から水長沢を遡行して山頂を目指すことにしました。地図の①+②のルートです。
1日目は八木沢ダムから奥利根湖の湖岸道を延々と水長沢出会いまで歩きました。ただし氏の歩いたときから年月も経過して、ダムは湖岸道を飲み込んでしまっています。後半は廃道化して踏跡もなくなっており、だいぶ苦労しました
それでも焚き火を起こし、花火などをして楽しみました。
2日目はあいにくの雨でしたが、予定通り水長沢を遡行しました
この沢も思った以上に時間がかかり、夜になってやっと山頂にたどり着きました。でも翌日は晴れ、やっと大草原の山頂を目にすることができました写真がないのが残念です。
下山後は奥只見湖から遊覧船に乗ります。観光気分を味わえるいいところで、以後の奥只見通いの入口となりました。
2回目は'82年の7月、④+②で只見川から大白沢を遡行しました。最初から明るい沢で歩きながら笑みがこぼれてしまいした
沢での快適な一夜を過ごした後、さらに遡行していくとここで二岐になります。気持ちの良い滝ですがこの滝は登らず左のカワゴイ沢に入りました
しかしこの後は、延々と続くズタズタのスノーブリッジを見てドキドキしてしまいました
水が滴り落ちる中を潜ったり、上を冷や冷やしながら歩いたり、やっとの思いでここを突破すると雪田が広がっていました。そしてそこはすでに大草原の一角でした
翌朝の山頂ではワタスゲが名残を惜しむようにゆれていました。写真はあったのですが、公開できる状態ではありませんでした。
3回目は同年の10月、平ヶ岳ではありませんが⑤の大白沢支流の池の沢から幻の大池(白沢の池)を目指しました。大滝はありませんが、それなりに面白いところです。
しかし、沢が切れてからは猛烈なヤブコギで もう引き返そうか?と思った頃、やっと見つけることができました
小沢平からは道がありますので登られる方もいるでしょうが、おそらく一日いても誰にも会わないと思われる静寂さでした。
4回目は'83年のGW、山スキーを持って訪れました。③の鳩待峠から入り、越後駒に抜けるロングコースです。大白沢山を経てやっとたどり着いた平ヶ岳では吹雪かれてしまいました。しかし地図とコンパスを頼りに剣ヶ倉への縦走路を見つけて振り返った時に、平らな山頂が微笑んでくれました。『やった~!』と思った瞬間でした。
それ以後は天候に恵まれましたが兎岳~中ノ岳と続く稜線を歩いたり滑ったりと、かなりハードな山行でした。スキーを担いでの檜の廊下の通過は特に苦労しました。
駒ケ岳のカールを滑り、さらに下って駒の湯に着いたときは達成感でいっぱいでした
残念ながらこのときの写真は見つけられませんでした
5回目は同年の9月、⑥+②の只見川から恋の岐川を遡行しました。この沢は釣師も多く入るところで、歩きながら何回も岩魚の群れに出会いました。沢も小滝ばかりで、楽しみながら登れました
ガスに巻かれた幻想的な山頂です
翌朝はすばらしい草紅葉を見ることが出来ました。
6回目は宮さまルートとも言われる⑦の玉子石ルートです。'86年に開かれたと思います。こういうルートが出来たということを知り、訪れて見ました。しかしあまりにもあっけなく山頂に立てるため、興ざめの感がしました。あまりコメントはしたくないルートです。登った年も記憶にありません ^^;
今までの歩いたルートを色別しています。一般的な平ヶ岳の登路は②ですが、下りにしか使っていません。
西丸さんの自然と一体化した自由な山行に、今までの山に対する考え方が大きく変わりました。そして平ヶ岳に入っていきました。原点と言いたい想いもそこにあります。
多くの思い出の残るこの山域ですが、山頂の写真があまりにも少ないのが心残りです。目には焼きついているつもりなのですが、年とともに・・・。
最初に入ったときは木道もなかったように記憶していますが、2回目のときは既に設置してありました。今はさらに変わっているでしょう。そのうちじっくりと、この山の花や草紅葉を見に行きたいと思っているのですが・・・。もう少し時間が必要のようです。
2011-09-02 16:30
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こちらの写真、随分と古そうですね。
年月が過ぎて振り返った時、何も証拠(笑)がないと、
ほんとに行ったのか経験したのか、
まったく記憶からなくなっていることがあります。
とくに昔はフィルムカメラですから
今のようにバシャバシャと撮って残すことはなかったですし。
記念というより証拠写真て重要ですね。(^^)
by nousagi (2011-09-02 23:25)
平ヶ岳にたくさん登られていますね!
概ねどのコースもハードコースです。まさに山男さんですね!
③の縦走コースも魅力的ですが、自分は②のコース平ヶ岳に登りたいです。
by joyclimb (2011-09-03 00:18)
何年前の記録でしょうか? 沢登り、楽しそうですね。 色々なコースで一つの山(山域)に登るのは、毎回発見や感動があって楽しいですよね。
by おど (2011-09-03 12:37)
沢登大変そうです。
昔は今ほど写真を撮れなかったので
仕方ないと思います。
by hayazou2002 (2011-09-03 17:32)
沢登り・岩登り・確保あり
これはたまりませんね。行きたいなんておもいました
最近はお天気が悪くて
台風でとても動けません^^:
by ひろたん (2011-09-03 19:42)
nousagiさん
証拠写真というより自分の記録として残しておきたいと思いました。
たしかに年月とともに記憶も薄れていってしまうので・・・(^^;
今は写真はいつまでもシャープですし、いい時代になったものです。
joyclimbさん
縦走コースはたぶん積雪期でないと歩けません。入山禁止地域もありますし、道がないところもあるかもしれません。
台倉尾根コースはいつか歩いてください。
おどさん
?十年前です。装備からも古さが分かると思います。
いろんな発見というよりもこの山域自体を知りたいと思いました。
hayazou2002さん
岩と比べると緊張が持続しないのが沢のいいところです。
ほとんどは自然と一体化したおおらかさの中で登っていけます。
昔はフィルムを惜しんで人主体に撮ってましたからね。
今はいい時代になったものです。
ひろたんさん
岩は大きな緊張、小さな休息ですが、沢はその逆です。
自然と一体化して焚き火をしたり、水と戯れたり、渓谷の美しさに感動したり出来ます。
頂上が湿原であることが多いのも魅力です。
by tochimochi (2011-09-03 22:06)
スゴイ!!の一言です\(◎o◎)/!
沢登り、岩登り、ヤブこぎ・・・・
でも自然の中で、自然と一体になって楽しむってすばらしいですね♡
by hidamari (2011-09-03 22:12)
本当に天気が悪くて山に行けないですね。私の場合は、どっちみち仕事の都合で暫く行けなさそうなので、かえって諦めがつくということはあります。
平ヶ岳はいずれ登りたいとは思っていますが、家からのアクセスが悪くて二の足を踏んでいます。
by makiwarikun (2011-09-03 22:59)
台風で外にいけないときは、思い出にふけるってのもいいですね。
たまには思い起こすと、あ、そういえば、ってことありますもんね。
by sinjitsu (2011-09-03 23:31)
懐かしさが漂ってくる、良い写真ばかりですね。
赤いリュックを背負っている方を見たら、インドを旅していた頃を思い出しました。押入れにはまだ、赤いリュックサックがあります。
by a-silk (2011-09-04 10:36)
焚き火から火をとり、線香花火。 風流ですね。^^平ヶ岳が原点でしたか。それにしても、全てのルートから入っていますね。凄いです。 自分は一般的な②のルートのみです。岩魚釣りで少し入っている沢はあります。宮様ルートは自分も敬遠したいです。何時の日か、恋ノ岐川は遡行してみたいです。
by のら人 (2011-09-04 17:12)
5回目の画像で虹色に輝く霧!
何が光源でしょう?
ハレーション?
by nikkin (2011-09-04 17:14)
平ヶ岳にもこんなに沢山のルートがあるのですね (*_*)
私は宮さまルートでしょうか…
また再訪できるといいですね♪
その際はデジカメで思う存分沢山の写真を撮られてください!!
by よしころん (2011-09-04 19:50)
hidamariさん
自然と一体になって登れるのも沢登りならではです。
でも尾瀬を含めたこの山域にはそれだけの魅力もあります。
だからこそいろんなルートから通ったのです。
makiwarikunさん
早く仕事が片付くといいですね。
平ヶ岳は本当にアプローチが悪いですね。
私は夜行電車で行ってましたから、余計大変でした。
でもいつか、ぜひ登ってください。
sinjitsuさん
そうなんです。
過去の記憶を呼び戻すいい機会になりました。
a-silkさん
だいぶ画質が落ちてるのもありますが、懐かしい写真ばかりです。
インドを旅していたのですか、その話もいつか聞かせてください。
nikkinさん
フィルム写真ですから、たぶん画質が劣化したのだと思います。
それにコントラスト補正をかけたせいもあります。
のら人さん
沢は楽しむものだと思ってます。
焚き火をしたり、泳いだり、花火も・・・。
結果として風流に見えることもありますね。
恋ノ岐川は私も、もう一度入りたいと思ってます。
というかここしか登れないでしょう。
よしころんさん
そういわず②の台倉尾根ルートでお願いします(^^;
ただ途中の泥濘は相当なものですから、hidamariさんのように長靴を持って行った方がいいかも・・・。
今度行けるときがあれば、バシャバシャ撮ってきます。
by tochimochi (2011-09-04 21:36)
⑦のコースは知りませんでした!地図みたらありました!でも登山口までの林道は一般車通行止めになっていましたが。
やはり平ヶ岳はロングコースで登らないとねえ。と言っても②のコースですが。その②のコースでもオラには無理かなあ・・・・・・
by Terry (2011-09-05 16:12)
Terryさん
民宿に泊まるとマイクロバスで送迎してくれるそうです。
でもお勧めしません。
私の友人が今年の夏、日帰りで行ってきました。
Terryさんよりも年長です。
by tochimochi (2011-09-06 08:39)
すごいですねえ、本格的な山登り、そして滝のコース、それも6回の登山、驚きです。とても深い山と聞いていますので、大変だと思いますが、一度は登ってみたい山ですね~。
by drumusuko (2011-09-06 14:48)
drumusukoさん
深いですが、それゆえにいい山です。
大草原の山頂には魅力がいっぱいです。
ぜひ登ってください。
by tochimochi (2011-09-07 23:05)
難しそうなコースですね。昔の写真が残っていて良かったですね。
今は、デジタル写真ですので、保存も楽です。フィルムは、物理的に残っていても、カビが生えたり、変色したりで、また、場所もとるので、保存が難しいですね。
by テリー (2011-09-08 10:15)
テリーさん
昔のネガやポジからスキャンしましたが変色、シミなどにはがっかりしました。公開するのは気が引けたのですが、記録のためにしちゃいました。
今はデジカメですから安心ですね。
by tochimochi (2011-09-08 20:55)
平ヶ岳、縦横無尽に歩かれましたね。 鳩待峠から越後駒、思いもつかない長距離ですね。 (@_@;)
by Jetstream777 (2011-09-08 23:32)
ご無沙汰してすみません。
沢登り楽しそうですね!いろんなコースで登れると
違った景色に感動するでしょうね!
by マンチ軍団 (2011-09-13 19:31)
Jetstream777さん
この山はほんとに思い入れの深い山です。
いろんなところから登ってみたいと思いました。
鳩待峠から越後駒は積雪期のみですからね。
充実した山行でした。
マンチ軍団さん
沢登りは楽しいです。
自然との一体感があります。
いろんなコースで登り、いろんな思い出を作りました。
by tochimochi (2011-09-14 18:20)
貴重な写真と回想のルート素晴らしいですね、
渓流釣りする息子、ヒッチハイクしながら恋の岐川行った話きいていましたが、いまさらながらびっくりです。
西丸式山遊記、ありますが、たのしい本ですよね
柔軟な発想で何でもござれの山男
体力もある青年がぐいぐい山に魅せられていく過程がよく分かります。
百名山終えたわたしの友人が②のルートですが
一番は平が岳ときいていましたが
とにかく、すごいのひとこと、
筋金入りの山男、おそれいりました(笑)
by ももこ (2011-09-15 01:28)
ももこさん
息子さん、恋の岐側に入ったことがあるのですか。
平ヶ岳までは行かれたのでしょうか。
とにかくこの沢は魚影が濃くてびっくりしました。
やはりももこさんは私の思い入れが分かってもらえたようですね。
うれしいです。
by tochimochi (2011-09-15 22:58)
息子は山がメインじゃなくイワナ渓流釣り、平が岳は登ってないと思います
当時朝から晩まで歩いて銀山平向ったようで興奮して話していました(笑)
宝川渓谷のウツボギ沢や、黒部の東沢このんでひとりでいってました、
帰るまで心配ですね、
私のチタンのコッフェル焚火にかけるので
変な色にされてしまいました(涙)
今でも飯盒で炊いて釣った魚を山で食べるのが最高のようです
熊の出るので焚火をして寝るようです。根性が半端でないです(笑)
今年は、読売新道から入ったようです 。
tochimochi さんの親御さんはさぞご心配されたでしょうね。
by ももこ (2011-09-16 01:36)
ももこさん
チタンのコッヘルとは高級なものをお持ちです^^)
沢に入ると焚き火をするのが楽しみです。
アウトドアライフが好きな息子さんのようで頼もしいですね。
by tochimochi (2011-09-17 21:44)